5月から始まった濫用確認。
2026年5月1日からの改正薬機法に基づいて、市販薬のオーバードーズ(濫用)を防ぐため、特定の成分を含む医薬品は「指定濫用防止医薬品」として販売ルールが強化されています。
最初は怖いという不安の方が強かったです。
初めて確認をする時は緊張しましたが、素直に答えてくださるお客様だったので、救われました。
実際は、会社の確認マニュアルに従って順にお伺いするので、難しくはありません。
私のお店では、ほとんどの方が濫用疑いのないお客様だと思います。
この記事では、濫用等のおそれのある医薬品の確認が始まってから登録販売者として感じた変化と、ある日のできごとをまとめています。
同じように、確認の対応に不安を感じている方の、判断材料になれたら嬉しいです。
2026年5月から、レジにいても必要に応じて売り場に移動する頻度が増えた
登録販売者になって5年。
市販薬より、食品や日用品のほうがずっとたくさん売れるお店なので、正直、市販薬の接客自体がこれまで少ないと思ってきました。
濫用確認自体は、それまでも少しはしていたんです。
それが5月から、ぐっと厳しくなりました。
レジを担当していても、市販薬コーナーで対応が必要になれば、そちらへ向かいます。
この確認ができるのは、資格を持っている者だけなので、社員さんが接客中だと、お客様をお待たせしてしまいます。
パートの私でも、資格者がいるかいないかで、感謝してもらえる機会が増えました。
5年やってきて、資格者としての必要性を、ここへ来てやっと実感するようになった気がします。
確認で実際に伺う3つのこと、かかる時間の目安
対象の商品を買われるお客様には、いくつか聞き取りをしないといけません。
お店によって多少違うと思いますが、私が主に確認しているのは、次の3つです。
①どのような症状か。
②使用者の年齢。
ご本人ではなく、ご家族が使われることもあるので、お子様が使う場合はそこも確認します。
③他のお店で、同じような商品をすでに買っていないか。
それに加えて、初めて使うのかどうかも、あわせてお聞きします。
若い方だと感じたときは、身分証の提示をお願いすることもあります。
こう書くと事務的に見えるかもしれませんが、実際はレジでの会話の流れの中で、順番にお伺いしているだけです。
時間にすると、数分程度です。
すんなり答えてくださる方が多いので、たいてい1〜2分で終わります。
急いでおられそうだなと感じたときは、
1〜2分ほどお時間よろしいでしょうか?
そうひと言添えるようにしています。
商品購入の際にいくつかの確認をお願いすると、素直に答えてくださる方が半分くらい。
「え、なんでこんなこと聞くの?」と、ちょっと驚かれる方が4割くらいでしょうか。
そういうときは、
最近、法律でこの確認が必要になったんです
とお伝えするようにしています。
たいていは、それで納得していただけます。
制度が厳しくなって5か月弱。
正直、ここまでは大きく困ったことはありませんでした。
「睡眠薬どこ?」と聞かれた日
その日は、調剤のほうから声をかけられて対応することになりました。
60代くらいの男性です。
睡眠薬どこ?
睡眠改善薬のコーナーへご案内すると、
ああ、ここにあったんか
そう言って、商品を見始められました。
ただ、最初からずっと、態度が横柄な方だったんです。
私はレジ担当中だったので、場所をご案内しただけでそのまま持ち場に戻りました。

眠れない原因は何なんだろう…?
そう思いはしたものの、正直、怖くて聞けませんでした。
レジに戻らないといけない事情もありましたが、もしあの態度でなければ、聞いていたと思います。
濫用確認が厳しくなって5か月目、初めて「できれば避けたい」と感じたお客様でした。
睡眠改善薬の購入確認で、初めて使うか聞けなかった話
しばらくして、その方が対象の商品を持ってレジに並ばれました。
レジは混雑していたので、私は応援ボタンを押して、来てくれた社員さんに引き継いだんです。
確認は、私ではなく社員さんがすべてしてくれました。
本当は、私が聞きたかったことがあります。
初めて使うのか、ということです。
睡眠改善薬は、他の商品よりも特に気をつけています。
なぜなら、以前こんなことがあったからです。
濫用の確認が始まる前に、毎週のように買いに来られる方がいました。
最初は、よく来てくださるなとしか思っていませんでした。
ただ、あまりに頻繁なことに、だんだん様子がおかしいと感じるようになりました。
1人1箱のはずなのに、2箱分の空箱を持ってこられたり、他の商品に紛れさせて買おうとされたりしたことがあったんです。
最終的には、当時の店長が直接お客様にお話をしたようで、それ以来お見かけしなくなりました。
睡眠改善薬で確認がなぜ大事なのか。
私は現場で見て知っています。
以前のお客様のように常態化してしまうことが怖いのです。
その常態化を止めるのが今の法律だと意識しています。
だからこそ、あの日いちばん聞きたかったことを聞けなかったのが、今も少し引っかかっています。
濫用確認を社員に引き継いだら、迷わず対応してくれた
社員さんは、いつもと変わらない様子で聞き取りを始めてくれたんです。
お客様の反応は相変わらずでしたが、社員さんは気にする様子もなく、必要なことをひとつずつ聞いて、会計まで進めてくれました。

助かった💦
でも、結局何も聞けなかったな
淡々と引き受けてくれる社員さんの姿を見て、怖いときは無理をせず頼っていいんだと思いました。
【まとめ】濫用確認は無理しなくていい。でも最初のひと言だけは自分で聞く
怖い思いをした日ばかりではありません。
先日、風邪薬をレジに持ってこられた方がいました。
いつものように、
どのような症状ですか?
とお伺いすると、
この薬よりも他の薬の方がいいのかな?実は迷ってて
そう言われました。
レジを離れて一緒に売り場へ向かい、症状をあらためて聞きながら、その方に合いそうな商品を一緒に選び直しました。
レジに戻る道すがら、
聞いてもらえてよかったです
そう言っていただけました。
最初のひと言を聞いていなければ、そのまま会計していたと思います。
濫用確認のための質問のはずが、思いがけず、お客様のお役に立てた日でした。
濫用確認が厳しくなって、まだ5か月目です。
怖いと感じることは、正直これからもあると思います。
でも、無理をする必要はないと思っています。
あの日、社員さんに引き継いだのは、私にとって正解でした。
ただ、ひとつだけ決めていることがあります。
「どのような症状ですか?」——この最初のひと言だけは、怖くても自分で聞こうと思っています。
そこから先、必要なら誰かに頼ればいい。
全部を自分で抱えなくていい。
そう思えるようになったことも、この5か月弱で変わったことのひとつです。
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