放送大学で「睡眠と健康」という科目を履修しました。
申し込んだときは、なんとなく「新しい知識が増えるんだろうな」と思っていました。
でも、実際に授業を聞いてみたら、少し違ったんです。
知らないことを教わる時間、というより、すでに感じていたこと・売り場で見てきたことに、ひとつずつ「理由」がついていく時間でした。
私は登録販売者として、ドラッグストアの売り場に5年立っています。
「眠れない」と相談に来られるお客様もいます。
その一つひとつが、授業の中で「ああ、あれはこういうことだったのか」とつながっていきました。
この記事では、50代で「睡眠と健康」を学んでみて、知っていたことに理由がついた瞬間を、いくつかまとめています。
同じように学び直しを考えている方の、参考になれたら嬉しいです。
売り場で、いちばん腑に落ちたこと
授業では、まず睡眠中の体の働きから教わりました。
眠っている間、体は休んでいるだけではなく、翌日に備えていろいろなホルモンを出して、体の中の環境を整えているのだそうです。
代表的なものとして、成長ホルモン、メラトニン、コルチゾールという名前が出てきました。
このうちメラトニンは、眠りの準備をうながすホルモンだと説明されていました。
そして、その濃度は年齢とともに少しずつ減っていき、70代から90代が、全年齢の中でいちばん低い時期になるのだそうです。
もうひとつ意外だったのが、生後半年に満たない赤ちゃんでもメラトニンが少ない、ということ。
これはまったく予想していなかったので、少し驚きました。
これを聞いたとき、売り場でのある光景が浮かびました。
ドラッグストアで働いていると、「夜、眠れなくてね」と相談に来られる年配のお客様が、時々いらっしゃいます。
睡眠改善薬の棚の前で、迷っておられることもあります。
年を重ねると眠りが浅くなる、とは前から聞いていました。
でも、その背景に、こういう体の変化もあるのか…と、授業を聞きながら思いました。
もちろん、眠れない理由がこれだけ、ということはないはずです。
日中の過ごし方や、心配ごと、体の具合など、いろいろなことが重なります。
それでも、「年齢のせい」のひとことで片づけていたことに、具体的な理由がひとつ加わった感じがして、しばらく頭に残りました。
変わっていった自分に、名前がついた
授業では、朝型・夜型の傾向を「クロノタイプ」と呼ぶことを知りました。
朝型はひばりタイプ、夜型はふくろうタイプ、という言い方もあるそうです。
私は若い頃、自分は完全に夜型だと思っていました。
夜ふかしはいくらでもできるのに、朝はとにかく弱い。
それが、結婚してから変わっていきました。
夫が筋金入りの朝型だったこともあってか、だんだん早寝早起きになり、子育てが始まってからは、すっかり朝型です。
クロノタイプの判定には、「朝型夜型質問紙」や「ミュンヘンクロノタイプ質問紙」といった方法があることも紹介されていました。
そこで、実際に「ミュンヘンクロノタイプ質問紙(MCTQ)」のセルフチェックをやってみました。
結果は「強い朝型」。
自分でも朝型だとは思っていましたが、ここまでとは少し意外でした。
たしかに今の私は、夜は21時半ごろには眠くなり、休日でも朝5時ごろには自然に目が覚めます。
集中しやすいのも午前中です。
おもしろいと思ったのは、クロノタイプは年齢によっても変わっていくということでした。
振り返ってみると、私自身も若い頃とはずいぶん生活のリズムが変わっています。
夜型だと思っていた自分が、いつのまにか朝型で暮らしている。
私は朝型だから、ひばりタイプ。
朝早くから元気に活動して、日が暮れるとともに静かになるところから、そう呼ばれているそうです。
「なんとなく」に、理由があった
運動と睡眠に関係があることは、なんとなく想像がついていました。
でも授業で印象に残ったのが、お風呂の入り方やタイミングも睡眠に関わるという話でした。
適度な入浴で体温が上がることは、その後の睡眠を促す一方で、熱いお湯に長くつかるなどして体が温まりすぎると、就寝時まで高い体温が続き、かえって睡眠を妨げることがあるそうです。
そのため教材では、入浴は寝る1〜2時間前までに済ませておくことが勧められていました。
これを知って、思い当たることがありました。
私はいつのころからか、お風呂は寝る1時間くらい前に入るようにしています。
理由があってそうしていたわけではなく、なんとなく、そのくらいがちょうどいいと感じていただけでした。
たまに時間がずれて、寝る直前にお風呂に入ると、布団に入ってもなかなか寝つけない。
その「なんとなく」に、ちゃんと理由があったんだな、と思いました。
気にしていたことが、調査でも示されていた
私は、昼寝が大好きです。
20分から30分くらいがちょうどいい、というのは知っています。
それなのに、休みの日は、つい2時間くらい眠ってしまうこともあります。
そんな日は、夜になかなか寝つけないことがあります。
授業でも、昼寝が長すぎると夜の睡眠のさまたげになる、と説明されていました。
「やっぱりそうか」と、うなずきながら聞いていました。
さらに、70代の方を6年間追いかけた調査で、1時間以上の昼寝をする人としない人とで、健康の面に差が見られた、という話も出てきました。
なんとなく気になっていたことが、こうして調査でも示されると、少し背筋が伸びます。
母は、ほとんど昼寝をしません。
元気に過ごしている母を思い浮かべながら、この話を聞いていました。
私も以前に比べると、2時間も昼寝をすることはかなり減りました。
それでも、30分くらいで起きようと思っていたのに、気づけばずいぶん時間が経っていた、ということはあります。
先日見たテレビでは、昼寝を長引かせないために、あえて床で寝るという方法が紹介されていました。
なるほど、と思うのですが、私はつい枕を引っ張り出してきてしまいます。
そうなると、もう沼です。
昼寝をまったくやめるのは難しそうなので、まずは「30分くらいで起きる」を目標にしたほうが、私には現実的かもしれません。
前に学んだことと、つながった
授業を聞いていて、いちばん「おっ」と思ったのは、認知行動療法という言葉が出てきたときでした。
認知行動療法は、以前、放送大学で履修したことのある科目です。
心理学の話、という理解でいたので、まさか睡眠の授業でまた出てくるとは思っていませんでした。
眠れないことには、体の状態だけでなく、ものの考え方や心の動きも関わっている。
そうした心理面にも目を向ける認知行動療法が、睡眠の改善にも用いられていることを知りました。
これは、思い当たることばかりでした。
心配ごとがあると、布団の中でそのことばかり考えてしまって、なかなか眠れない。
ばらばらに受けているつもりだった授業が、少しずつつながっていく。
続けてよかったな、と思いました。
認知行動療法をふくめ、これまで放送大学で受けてきた心理系の授業は、こちらの記事でまとめてふり返っています。
テストはどうだった?
気になる方もいるかもしれないので、試験のことも少しだけ。
結果はA判定でした。
全体としては、比較的取り組みやすかったです。
ただ、あまりなじみのない専門用語が出てくると、少し考える力が必要でした。
知っていることに理由がついていく授業だったぶん、名前だけの用語は、逆に手ごわく感じました。
【まとめ】50代で学ぶと、答え合わせになる
学ぶ前は、「知らないことを知る時間」だと思っていました。
でも実際に受けてみると、「すでに知っていたこと・感じていたことに、理由がついていく時間」でした。
売り場で年配のお客様に「眠れない」と相談されたこと。
夜型だったのに、いつのまにか朝型になっていたこと。
お風呂が遅い日は寝つけないこと。
つい昼寝を長くしてしまうこと。
心配ごとがあると眠れないこと。
そのひとつずつに、授業が理由をくれました。
若い頃に学ぶのとは、私の場合、少し順番が逆なのかもしれません。
先に経験があって、あとから「そういうことだったのか」と答え合わせをしていく。
5年間、売り場に立ってきたからこそ、腑に落ちることがたくさんありました。
50代で学び直すのは、たぶん、そういうことなのだろうと思います。
授業で学んだことをきっかけに、自分自身の睡眠についても改めて振り返りました。
実際に私が試していることや、50代になって感じる睡眠の変化については、かおまえラボの記事にまとめています。
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📌参考にした情報:放送大学教材『新版 睡眠と健康』

