はじめに
50代で医療事務に挑戦。
でも、6ヶ月で辞めることになった私。
それでも、この経験に意味があったと思える理由があるんです。
医療事務の仕事を短期間で辞めたことを正直に書きます。
医療事務の資格を取得してから最初の2回は2週間で辞めてしまい、3回目は「三度目の正直」と強い思いでチャレンジしました。
採用されたのに、また辞めてしまった——そんな私の体験を正直に綴ります。
同じように悩む人の参考になればと思い、私が医療事務の仕事を辞めた理由をお話しします。
勤務先と仕事内容

三度目の正直で採用されたクリニックはオープニングスタッフでした。
過去2回は既存のクリニックで、固定されたルールにうまく馴染めなかったため、オープニングスタッフならきっと大丈夫と信じて疑いませんでした。
👉 医療事務資格は必要?40代主婦の取得体験談
このクリニックに応募する前、私は通信+通学で医療事務の資格を取得しました。
どんなふうに勉強して、実際に現場で役立ったかを別の記事でまとめています。
indeedで検索をしていて飛び込んできた求人は自宅から近く、オープニングスタッフを募集するというもの。
求人文がとても素晴らしくて感銘を受け、応募を即決しました。
当時はドラッグストアと訪問看護ステーションで介護事務の兼務。
👉 開院前のオープニング研修を振り返って
このクリニックの開院前研修では、意外なことや戸惑いもありました。
そのとき感じたことを、別の記事で詳しく書いています。
訪問看護ステーションの経営がどんどん怪しくなってきたこと、通勤が少し遠いことから訪問看護ステーションを辞める決意をし、クリニックのオープニングスタッフに応募しました。
求人には「受付・会計・電話対応・診療介助などの医療事務をお任せします。掃除などの雑務はありません」とあり、雑務がない点は大きな魅力でした。
また「お人柄で採用を考えています」との文言にも心を動かされ、接客経験を活かしたい私は迷わず応募しました。
辞めた理由は3つ
夢だった医療事務の仕事。
現実はそう甘くはありませんでした。
①働く上でのルールが定まっていなかった
社労士さんの説明もあり、仕事をする上での一般的な規則は書面でもサインをしました。
問題は、実際に働き出した時の細かいルールです。
例えば、「特定健診の書類やデータはいつ誰が所定の期間に持っていくか」や、「備品管理はどうするか」など、細かいけれど大切なことが何一つ決まっていなかったんです。
実際に私は切手を10枚1シート、勤務時間後に購入して次回出勤日に持って行ったらもう購入されていたこともありました。
これって無駄な時間や労力だと思います。
備品管理はノートに記録するなど、改善の余地はあったと思いますが、なかなか意見を反映しにくい状況でした。
②シフトが採用時と大きく違った

私の場合、当面はドラッグストアと掛け持ち勤務を考えていました。
なぜなら、万が一クリニックでの勤務がうまくいかなかった時に保険を打っておきたかったからです。
50代になると、そのあたりはとても慎重になり、臆病にもなります。
私の希望は午前診と午後診の割合が半々で、月のお給料は4万から6万までとしていました。
ですが、人の入れ替わりが激しく、開院して1ヶ月も経たないうちに一人辞め、翌月にも一人辞め、私が退職するまで毎月一人以上が辞めていきました。
人が辞めると新たに人を採用することになります。
いくらオープニングでも新しい人が来ると、慣れるまで独り立ちはできないために既存のスタッフでやりくりする他にありません。
私は開院から2ヶ月間は7万円から8万円までの収入を得ていました。
このままでは扶養枠を超えてしまうと思い、3ヶ月目からは一時的にでも減らしてもらうよう、事務のリーダーに相談したところ、私が一番やりたかったレセプトの仕事からはずされてしまったんです。
そこで一気にやりがいを失いました。
③先生の発言に心が疲れた
実は一番つらかったのが、先生から聞くスタッフや近隣の先生へのご意見でした。
時には終業後に30分〜1時間、その話を聞くこともあり、気持ちがどんどん沈んでしまったのです。
どれだけ時給が出ても、心がすり減るような時間でした。
得た3つの気づき
過酷な環境ではありましたが、私は今でも先生には感謝しています。
わずか6ヶ月という短い期間ではありましたが、医療事務のおおまかな流れもとても勉強になりました。
①医療事務の仕事内容は想像以上に多様だった
医療事務の資格を持っていても、いざ現場に入ると学習したこととすぐに結びつくとは限りません。
難病の医療証を持参される方や、他市の生活保護の方が突然来院されることもありました。
特定健診も私の学んだ医療事務の試験範囲にはなく、自治体ごとに対応が異なるためとても大変でした。
様々な知識を使って、なおかつできるだけスピーディに対応する難しさに右往左往しましたが、そのぶんやりがいはありました。
②自分に合う職場の条件がはっきりした

辞めた理由に「働く上でのルールが決まっていないこと」を挙げましたが、個人経営のクリニックではあるあるなのだと思います。
個人経営のクリニックで縁の下の力持ち的な存在といえば、先生の奥様です。
私の友人も開業医の夫を30年近く支えていますが、細やかな気配りをされています。
スタッフ間のトラブルや、様子は常にアンテナを張っているようで、仕事が暇になったら「ちょっと銀行に行ってきます」と言って、自分の仕事をスタッフにお願いして調整してるのだと言っていました。
癖の強い奥様がいらっしゃるとそれはそれで大変なのでしょうけれど、奥様に限らず事務長的な存在の人はいるべきだと思います。
先生は診療に専念されるのだから、そこまで気配りをするのは難しいでしょう。
③挑戦したこと自体が自信につながった
過去2回は2週間で退職してしまった医療事務の仕事。
私には向いていないのだと言い聞かせてきたんです。
それでも挑戦したいと挑んだオープニングスタッフとしての仕事では、患者さまからの感謝のお言葉をいただいて、それだけでもやってよかったと思えました。
50代の私を採用してくれた先生には今でも感謝しています。
おわりに

私は医療事務だけでも3回転職と退職を繰り返してきました。
長続きしないのは私に問題があるのだと、落ち込んだこともあったけれど、体調を崩してまで我慢して働くことはないと思っています。
自分を大切にする選択をしただけなんですよね。
そして、私はまだ諦めていません。
求人を検索し続けて、ご縁があればまた医療事務のスタッフとして働きたいと思っています。
今はまだご縁がなくても、経験はすべて自分の糧になっています。
だからこそ、これを読んでいるあなたにも伝えたい。
「たとえ短期間でも、その選択に意味はある」と。
最後までお読みいただきありがとうございました。