以前私は、 「これは契約と内容が違うのでは?」と感じながらも、ブラックと呼ぶほどではない企業でパートをしていました。
ブラックじゃないから辞めるほどでもない。
もう少し頑張れば改善されるかもしれない。
そう思って続けていても、相手(企業)の考えがそう簡単に変わることはありませんでした。
人間関係もそこまで悪くない。
でも、何かが違う。
じわじわと、地味にメンタルが削られていく。
この記事では、50代主婦の私が「甘えかもしれない」と迷いながらも、パート先を罪悪感なく退職できた理由をお話しします。
同じように迷っている方の、ひとつの判断材料になれば嬉しいです。
ブラックじゃなくても辞めたいと思う瞬間
どんな職場でも、完璧な場所はありません。
人間関係に悩んだり、仕事内容がしんどかったりと、何かしら我慢をしていることは、誰にでもあると思います。
残業が極端に多い、理不尽な叱責が続く――
そんな明らかに耐え難い状況なら、退職を考えやすいでしょう。
でも、そこまでではない。
人間関係もそれほど悪くない。
仕事内容もこなせないわけではない。
それなのに、出勤前になるとため息が出る。
休み明けは、なぜか気持ちが重い。
「これくらいで辞めたいと思うのは甘え?」
そう自分に問いながら、私は働いていました。
けれど、そういった心のサインは、見過ごしてはいけないものだと今は思っています。
50代主婦の私が、パート勤務でも「これは続けていく自信がない」と感じた3つの基準について、ここからお話しします。
パートを辞める前に、私が確認した3つのこと
50代になると、感情の勢いだけで辞めることはできません。
せっかく覚えた仕事。
また一から求人を探すしんどさ。
そして、年齢の壁も頭をよぎります。
それでも、「なんとなくしんどい」という曖昧な感覚が続くと、この先もこの職場で働き続けられるのだろうか、と不安になります。
私はその感覚を放置せず、自分なりに整理してみました。
そのときに確認したのが、次の3つです。
①この環境で1年後の自分を想像できるか
新しい職場では、最初は環境に慣れることに必死です。
仕事を覚え、人間関係を築くことに精一杯で、「この職場で大丈夫だろうか」なんて考える余裕もありません。
けれど、2週間、1ヶ月と過ぎる頃、ふと立ち止まる瞬間が訪れます。
「このまま1年後も、ここで働いている自分を想像できるだろうか」
例えば登録販売者の仕事。
私は未経験からのスタートだったので、1年後の姿を具体的に思い描くことはできませんでした。
それでも、不思議と『絶望感』はなかった。
この仕事が特別好きというわけではないけれど、少しずつ慣れていく自分の姿は想像できた。
『続けられそう』という感覚が、確かにあったのです。
②小さな違和感を我慢し続けていないか
仕事に慣れてくると、少しずつ自信もついてきます。
そんなとき、ほんの小さな評価でも嬉しいものです。
それでも、「やって当たり前」「パートなんだから」と言われると、どこかで心がしぼんでいく感覚がありました。
また、同じミスでも注意される人とされない人がいると、私はモヤモヤしてしまいます。
医療事務では、入力ミスはログで分かるのですが、私が間違えたときは「気をつけてね」と言われます。
それ自体は当然のことです。
でも、他の人のミスが「まあ、誰にでもあるよね」と軽く流されたとき、なぜか心に引っかかりました。
説明の仕方が人によって変わることもあり、『私は安心して働けていないのかもしれない』と感じたのです。
③働く前に聞いていた条件と大きなズレはないか
私が一番大切にしたい視点は、「条件のズレ」です。
面接の際に 「週◯日、△時間の勤務でお願いします」と言われて入社したとします。
でも、しばらくすると
「今日は仕事がないから帰って」
「この日は仕事が少ないから休んでもらえる?」
といった変更が増えていくことがありました。
もちろん、仕事量に波があるのは理解しています。
多少の増減は、どの職場でもあるものです。
けれど、それが常態化するとどうなるか。
想定していた収入が崩れ、生活のリズムも揺らぎます。
扶養内で働いている場合は、特に『時間』と『収入』は前提そのものです。
仕事内容のズレも困りますが、勤務時間のズレは生活に直結します。
ここが継続的にずれると、 私は「この前提は守られていない」と判断し、退職を選んできました。
パート退職を伝えるときに、実際に伝えた言葉
「もう辞めよう。続けていくのは難しい。」
そう決意しても、一番の壁は『どう伝えるか』でした。
私はこれまで何度か退職を経験していますが、慣れることはありません。
毎回、胃が痛くなるほど悩みます。
それでも、続けるほうが心の状態は悪くなると感じたとき、 退職を伝える時間はほんの数分だと自分に言い聞かせました。
私が実際に伝えてきた言葉は、こんなものです。
「このまま続けていく自信がありません」
これは、2週間で辞めた医療事務の仕事のときに伝えた言葉です。
相手を責めるのではなく、 「自分の問題」として伝えるようにしました。
求められることが多く、正直に言うとキャパオーバーでした。
でもそれを職場のせいにするのではなく、 「自信がない」と伝えることで、感情的にならずに済みました。
また、別の職場では、こう伝えました。
「家庭の事情で退職させてください」
家庭の事情は、比較的引き止められにくい理由です。
少人数の職場では深掘りされることもありますが、 詳細を話しすぎず、淡々と伝えることがポイントだと感じました。
「申し訳ありませんが、○月末で退職させてください」
期限をはっきり伝えると、話はスムーズに進みます。
辞めるまでの間は多少の気まずさが残ります。
でも、辞めたあとは「自分に正直になれた」という安心感が残りました。
どうしても直接伝えるのが難しい場合は、退職代行という選択肢もあります。
実際に、私が勤めていた職場でも利用された方がいました。
『逃げ』ではなく、自分を守るための手段のひとつだと思います。
罪悪感なく終わった退職の話
辞めるまでは 「なんて伝えよう」「引き止められたらどうしよう」と、何日も悩んでいました。
けれど、意外なほどあっさり終わった経験もあります。
当時、私がどうしても譲れないと感じたのは、『条件のズレ』でした。
その日は出勤日。
昼休みに総務課へ行き、思い切って伝えました。
「退職したいと思っています。」
すると、総務の方は落ち着いた様子で「わかりました。いつ付けにしますか?」と。
拍子抜けするほど、淡々とした反応でした。
「今日付けでお願いします」と伝えると、そのまま手続きが進み、退勤までに処理が終わりました。
理由を聞かれたので「条件の相違があったからです」とだけ伝えると、 「そうですか」と返ってきただけでした。
あれほど悩んでいたのに、終わってみればほんの数分の出来事。
私が重く考えていただけで、 会社側は意外と冷静でした。
退職は、自分の人生にとっては大きな出来事ですが、会社にとっては『ひとつの手続き』であることも多いのかもしれません。
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まとめ:退職は逃げではなく調整
「せっかく採用になって、まだ1年も続けていないのに辞めるのは逃げになる?」
そう思ってしまうと自分自身のことも責めてしまいがちになります。
でも私は、退職は『失敗』ではなく、その企業と自分の相性を見極めた結果だと思っています。
合わなかったから、調整する。
それだけのこと。
また求人を一から探すことも、新しい仕事を覚え、人間関係を築くことも簡単ではありません。
それでも、このまま消耗し続ける未来と比べたとき、どちらが自分にとって前向きなのかを考えてみることは大切だと思います。
退職は、逃げではなく調整。
諦めなければ、また次の仕事が見つかる。
私はそう信じて、50代の今も歩き続けています。


