ドラッグストアでの接客は、時に難しい判断を求められることがあります。
特に高齢者のお客様からの相談は、症状や背景をしっかりと理解し、適切なアドバイスをすることが求められます。
今回は、お二人の70代の女性のお客様からの相談を通じて、風邪の後の鼻水や痰に対する接客体験とスライサーで指を切った方の相談を振り返り、どのようにアドバイスを行ったのかをまとめてみました。
風邪の後の鼻水や痰に対するアドバイス
お客様の症状
お客様は、風邪の後に以下のような症状を訴えていました。
- 鼻水が止まらない
- 熱はない
- 汚い色の鼻水が出る
- 鼻水が喉に降りてきて痰が絡む感じがする
- 鼻をかみすぎて血が出たため、口内炎の薬を綿棒で塗ったが改善しなかった
- アレルギー検査ではアレルギーではないと診断された
このような症状から、お客様は鼻水と痰を止める風邪薬と、鼻に塗る軟膏を求めていました。
提案した薬
まず、鼻水に特化した風邪薬として「ルルアタック」を検討しましたが、余計な成分が多いです。
そのため、鼻水には鼻水の、痰には痰のお薬を勧めることにしました。
痰には「ムコダイン」を提案しましたが、すでに家にあって効かなかったとのことでした。
鼻水には、第二世代の抗ヒスタミン薬「アレグラ」と、第一世代の「ストナリニS」を両方提案しました。
漢方も勧めてみようと思いましたが、「漢方は時間がかかるので」と言われて却下。
お客様は眠くなるのは気にしないとのことでしたが、最終的には「アレグラ」を選択されました。
鼻に塗る軟膏については、社員に相談したところ「ドルマイシン」を提案されましたが、お客様は「きつい薬の印象」とのことでやめました。
鼻の中の炎症にご自身で家にあった口内炎の軟膏を塗られたということに、ちょっと驚きました。
鼻の中の炎症は耳鼻科で診てもらった方が…と思いましたが、きっと病院にいくのは億劫なのでしょう。
ドルマイシン軟膏について、気になったのでゼリア新薬さんに問い合わせてみました。
鼻の奥に軟膏を塗ることは「相談すること」になっているそうです。
やはり、鼻の奥の方については見えない部分なので耳鼻科受診推奨ということでした。
入口あたりのおできなど、見える部分には薄く塗るのはOKだそうです。
反省点と気づき
接客を終えた後、私は「アレグラ」が風邪にはあまり適していなかったのではないかと反省しました。
風邪の症状には、第一世代の抗ヒスタミン薬である「ストナリニS」を勧めるべきだったかもしれません。
お客様の症状をより深く理解し、適切な薬を提案することが重要だと感じました。
風邪の後の鼻水に対する考察
接客後に不安な時、知り合いの薬剤師さんに伺います。
いつも的確なアドバイスをしてくださり、とても心強いのです。
早速ご連絡をしてみると、このような回答をいただきました。
お客様の症状から、風邪の後に鼻水が止まらない場合、小青龍湯やムコダインが有効かもしれません。
小青龍湯は鼻水と咳、薄いサラサラの痰に対応する薬です。
また、風邪の後期に熱が出ないこともあります。
特に70代の女性の場合、体力が低下しているため、熱を出す力がないことも考えられます。
風邪の後期に痰が絡む場合、無理に咳を止めない方が早く症状が改善されることもあります。
市販薬で対応できることが理想ですが、3日間服用しても症状が改善されない場合は、医療機関を受診することを勧めるべきです。
葛根湯加川芎辛夷なども、鼻づまりの症状に効果が期待できる薬です。
漢方を選択するなら「小青竜湯」か「葛根湯加川芎辛夷」だと思っていました。
薬剤師さんのアドバイスはいつもとても勉強になります。
私が接客した感覚ではお客様は「病院受診が億劫なのだろう」と思って、受診勧奨を積極的にしなかったのも反省点です。
社員に聞くこともあるのですが、やはり薬剤師さんに聞けることは私にとって安心感が違います。
指をスライサーで切ってしまった方へのアドバイス
お客様のご相談
スライサーで指を切ってしまったので絆創膏を巻いたお客様が、こちらを手に持っています。
サイズの記載は直径◯㎜、横◯㎜としか書いておらず、サイズ感がわかりません。
お客様の指をみた感じは合いそうです。
同僚のパートさんが通りかかったので一緒にみてもらいました。
お客様は同僚のパートさんの知り合いの方でした。
指サックのサイズは大丈夫そうだという話から、病院受診をされたか聞いてみると病院には行っていないということでした。
ここで私の経験が活かされました。
提案した商品
お客様は指専用の絆創膏を手に持っておられました。
通常の絆創膏よりもモイストパットタイプの方をお勧めしてみました。
モイストパットは通常の絆創膏よりも少し高めなので、購入は皆さん躊躇します。
試供品があったのを思い出して、取りに行きお渡ししました。
ちょうどその日、私もケアリーヴを手に貼っていたのでこんな感じだということを見ていただけました。
あの時痛い思いをしたけれど、接客に役に立って嬉しかったです。
まとめ
ドラッグストアでの接客は、単に商品を販売するだけでなく、お客様の健康を考えたアドバイスが求められます。
今回の経験を通じて、より良い接客を目指し、知識を深めていくことの重要性を再認識しました。
お客様の症状をしっかりと理解し、適切な提案を行うことで、信頼関係を築いていけると感じています。
今後も、より多くの方々に寄り添った接客を心がけていきたいと思います。