結婚してから約30年間、専業主婦として過ごしてきた友人がいます。
私は長女の幼稚園時代からのママ友5人で月一回程度ランチ会をしています。
メンバーの年齢は58歳から60歳、私より少し年上の皆さんです。
薬剤師、書き方教室運営、クレジットカード会社で扶養内パート、そしてドラッグストアと介護事務を兼務している私など、それぞれが仕事を続けています。
専業主婦歴30年の友人に、転機が訪れたのは3年前でした。
可愛がっていたわんこが虹の橋を渡り、生活が一変してしまったのです。
我が子のように可愛がっていたわんこが旅立ち、外に出る機会が減って誰とも会話しない日が続きます。そんな彼女が一念発起して、パート勤務をする決意をしたのです。
30年ぶりに働いた友達の話
就職活動ってどうやってすればいいの?
働くことを決意した友人は、不安げに私に尋ねました。
30年も働いていなかったから、どうやって就職活動をすればいいのか全く分からないわ…
新聞の折込チラシは見ているものの、なかなか条件に合ったところがありません。
そこで、私がよく利用するハローワークのインターネットサービスとindeedを紹介しました。
タウンワークやアイデムなどもありますが、この二つは若い世代向けの求人も多く見受けられます。
indeedはそれらのものも含めて総括で検索できる、優れものだと伝えました。
そして、検索し始めて数ヶ月が経った頃、採用が決まりました。
社員食堂の調理補助に採用
indeedで検索して応募した結果、ある大手企業の施設内にある社員食堂の調理補助に友人は採用されました。
※写真はイメージです
少し遠いけれど車通勤が可能だったので決めたようです。
しかし、入社後すぐに施設が閉鎖されることが判明してしまいました。
4月に働き始め、入社2週間後には8月に施設が閉鎖されてしまうと発表があったようです。
その施設は新入社員研修や定期的に社内研修でも使われていたものの、売却されることになってしまったのです。
それでも友人は期間満了まで働くことにしました。
そこであるあるなのが、お局のいじめです。
社員お局のいじめにも負けず、最後まで働いてやり切りました。
再就職に向けて資格を取得
再就職が思うように進まない中、友人は新たな一歩を踏み出すことを決意します。
子供好きな彼女は以前から興味を持っていた保育や学童の仕事に目を向け、『子育て支援員』という保育補助の資格を取得することにしました。
『子育て支援員』の資格については、こちらの記事で詳細をご覧ください
友人は隣市の自治体で申し込みをし、スクーリングの授業もメモを取りながら一生懸命勉強したそうです。
そして、就活はジョブメドレーに登録します。
今度は自宅から自転車で行ける距離の求人を見つけて応募し、即採用されました。
再就職決定!夢が叶ったけれど…
ジョブメドレーで見つけた求人の条件は以下のようなものでした。
【15時〜19時までの勤務】
朝が弱い友人にとって、希望通りの時間帯です。
子供は社会人で別居だし、ご主人も仕事が遅く夕飯の支度を急ぐこともありません。
事前に「本当に19時までの勤務でも大丈夫ですか?」とジョブメドレー上でやり取りがあったそうです。
面接時も「本当に19時までの勤務はできますか?」と念押しされ、大丈夫だと答えると即採用になりました。
※写真はイメージです
即採用は要注意!採用後に条件が変わり態度も豹変
「即採用」という言葉には注意が必要です。
多くの場合、求人の応募が少ないか、人がすぐに辞めてしまう環境であることが多いからです。
私自身も即採用は2回経験がありますが、応募が少ないことと人がすぐに辞めることは当てはまります。
それでも、即採用されるというのは嬉しいものです。
パートでも求人に応募をして面接をし、採用か不採用かの連絡を待つのは精神的にもあまり経験したいものではありません。
友人はやりたかった保育の仕事であり、自宅から近く資格手当もあって時給も少し高めのため、採用を受けました。
契約の際に言われた一言です。
週5日勤務で15時から19時勤務をしてもらうので、扶養は抜けてもらうことになります。
求人には週◯日という記載がなかったようで、何も記載がないというのはフルタイムのことが多いのも私の経験上感じることです。
30年間専業主婦だった友人は、58歳にしていきなり扶養を外れることになりました。
さらにこんなことを言われます。
扶養を抜けるとなるともっと働きたいでしょう?14時から19時まで来てもらえませんか?
気の弱い友人は断れず、言われるがまま条件変更を受け入れました。
ジョブメドレーでお祝い金をもらうまでを目標に
保育補助の仕事はジャージや靴などが必要になりますが、全て実費購入になります。
ジョブメドレーで応募して採用になり、2ヶ月間勤務するとお祝い金がもらえます。
2000円というわずかな金額ですが、それでも備品代を稼ぐために友人は頑張ることにしました。
頑張り屋の友人は2ヶ月間勤務を継続してお祝い金ももらったそうです。
しかし、ここでもいじめに遭います。
保育士たちがやりたくない仕事を命じられたり、仕事自体をろくに教えてもらえず戸惑うことばかりのようです。
面接の時は満面の笑みで迎え入れてくれた担当者の役員も、入社してしまえばあとは知らんぷり。
前途多難の保育補助の仕事を、友人はまだ続けています。
まとめ
とても真面目で頑張り屋さんの友人の悩みを、ママ友4人で聞きました。
年齢的にも再就職先を探すのは難しいと感じるかもしれません。
それでも、身を削ってまで働くこともないのです。
4人全員の結論は「早く保育所を辞めて新しいところを探した方がいいよ」でした。
30年間専業主婦だった友人が就活をして働き始めたことは、素晴らしい挑戦です。
ランチの集合時間にいつも遅刻してきていた彼女が、ほぼ遅刻をしなくなったことも成長だとみんなはいいます。
この経験を通じて、シニア世代が働くことの意義を改めて考えさせられました。
友人がこれからも自分らしく輝き、新しい環境でさらなる成功を手にすることを、私たちは心から願っています。