50代登録販売者4年目、久しぶりの接客で考えた高齢者への薬選びと対応

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登録販売者のこと

登録販売者として働き始めて4年目になります。

最近は品出しや補充・レジ業務が主で、市販薬の接客をする機会が減っていました。

市販薬以外の商品のことを聞かれることが多い中、先日高齢女性のお客様から市販薬に関するご相談を受ける機会がありました。

ご相談内容は、胃薬と湿布薬に関するものです。

久しぶりの接客で得た学びを振り返ってみたいと思います。

高齢者への薬選びと対応

高齢女性の胃薬選びの難しさを実感

高齢女性が胃腸薬の前で悩んでいて、声をかけられました。

「こんぶ類を食べると胃もたれするから胃薬を飲んでいるんだけど、これとこれはどう違うの?」

手には太田胃散分包と太田胃散A錠を持っておられます。

いつもは太田胃散分包を服用されているそうですが、A錠の方が良さそうだと思ったそうで迷っていました。

太田胃散A錠と分包の違いを説明

私は、A錠は脂っこいものの消化を助ける作用がプラスで配合されていることをお伝えし、何か服用されている薬はないか尋ねると、高血圧の薬を飲んでいると言いました。

社員にも相談をしたら

「A錠を飲んでみて血圧が上がるなど変化があったら中止して医師に相談するように」

というアドバイスだったので、お伝えするといつもの分包を購入されていかれました。

後悔した接客:高血圧と胃薬の相性を再確認

あとで調べてみると、高血圧の方には炭酸水素ナトリウムが良くないとわかりました。

いつも服用されているというお客様の言葉だけを鵜呑みにしてしまったのが失敗の原因です。

売り場で他の薬を見てみましたが、ほとんどの胃薬に炭酸水素ナトリウムが入っています。

風邪薬との併用も可能なセルベールはどうかと調べてみたら「高血圧の薬と重複する場合がある」とありました。

ネット検索ではガスター10などのファモチジンを進めるよう、記載がありましたがガスター10は第一類医薬品で店内には置いておらず、ますますどうしたら良かったのかがわからなくなりました。

薬剤師からのアドバイス:どの胃薬をおすすめすべきか?

私が働いているドラッグストアは調剤併設ですが、相談できるほど話しやすい薬剤師さんはいません。

頻繁な転勤で、いつの間にか見たことのない薬剤師さんがいるというような環境です。

そこでいつも相談にのっていただいている、信頼できる薬剤師さんに相談をしてみました。

すぐに回答してくださいました。

回答1:こんぶ類を食べなければ良いのではないか?

どうしても食べたいのなら少量だけにしてもらうこと、これが1番大事です。

まさにおっしゃる通りです。

お客様もご自身で「食べなかったらいいんだけれど、忘れて食べちゃうのよね」と言われていました。

回答2:こんぶ類は食物繊維なので、消化しにくい食べ物です。

消化剤を飲むと、こんぶ類以外に食べたものの消化は助けてくれるので、間接的には効果があるかもしれませんが…

確かに消化剤を飲んだからといって、こんぶ類の消化が早くなるとは限らないですよね…

そこも思いこんでおりました。

回答3:ご高齢のご婦人なので、段々と胃腸の働きは悪くはなっているかと思います。

私が使うとしたら、漢方薬で六君子湯を選ぶかなと思います。

胃腸の働きを改善する効果があるので、消化不良にもお勧めしやすいかと思います。

漢方薬の発想に結びつきませんでした…。

漢方の勉強も好きで、時々していたのにも関わらず、盲点でした。

六君子湯は私のドラッグストアに置いてあるので、おすすめの選択肢になりました。

回答4:他にはエビオス錠の少量サイズを試してもらうのでも良いかと思います。

多分エビオス錠を勧めた事はないかと思いますが、胃腸の弱い人にも良い上に栄養補給にも良いです。

必須アミノ酸なども取れますね。

ただ少し食物繊維も入っていますが、胃腸の改善の方が効果があると思います。

六君子湯とエビオス錠の組み合わせも考えられますね。

エビオス錠は、少し前に長男が胃もたれが続くというので勧めたところだったのに、接客の時には思いつきませんでした…。

六君子湯とエビオス錠の組み合わせもできるなんて!

私たち登録販売者は「他の薬との飲み合わせ」に関して、苦手意識がある方が多いと思います。

重複成分は避けるよう気をつけていても、この薬とこの薬は併用していいのかという質問に、なかなか自信を持って答えるのは難しいです。

エビオス錠は早速我が家の常備薬にプラスされました。

足がだるい高齢女性への接客

湿布薬のところで長く立ち止まっている高齢女性がいたので、さりげなく近づいた時に声をかけられました。

お悩みは以下の4点です。

①足がだるい、痛いわけではない。

②サロンパスのにおいが苦手なので無臭のものが欲しい

③栄養ドリンクもたまに飲んでいる

④アリナミンは飲んだ後の口臭が嫌だ

このようなご質問だったため、まずはサリチル酸配合の無臭の湿布をおすすめしてみました。

湿布薬から栄養ドリンク、さらにサプリメントも気になるお客様

お客様は、湿布は剥がれやすいのでサロンパスのような密着タイプがお好みだということです。

ご自身でパスタイムプラスというシトラスの香りの貼り薬を選択されました。

それに加えてアンメルツヨコヨコ(サリチル酸)無臭タイプもご購入していただきました。

さらに話は栄養ドリンクに移ります。

足がだるいというよりも、体がだるいのでしょうか…。

推奨販売品の1本1000円のドリンク剤をおすすめしてみましたが、置き薬の人が持ってくる栄養ドリンクが家にあるため、今はそっちを飲むと言われました。

どうやらリポビタンなどの安価なものがお好みのようです。

そして、今度はサプリメントに話しが移り、アリナミンは息が臭くなるから嫌だと言われます。

ユンケルゾンネロイヤルをおすすめしたのですが、金額を見て却下されました。

キューピーコーワゴールドαが気になられたようで、栄養ドリンクよりもコスパが良いこともお伝えし、クーポンが使える時に来店されるということで一旦接客は終了しました。

退勤直前に再度声をかけられて、今度は体操の後に飲むゼリー飲料はどれがいいかと聞かれました。

少し迷われていましたが、安価なタイプのアミノバイタルを選択されて購入されたようでした。

接客後の反省:足のだるさへのアドバイスは十分だった?

いつも接客の後に反省をします。

もっと十分なアドバイスができたのではないかな?と。

「睡眠と軽い運動」をお伝えしましたが、お客様はなかなか難しいと言われていました。

わかってはいるけれど、実践しようという気持ちには慣れないものですよね…。

後から「足を少し高くして寝る」「血行をよくするためにマッサージをする」というアドバイスを思いつきました。

夫がいつも足がだるいと言って、座布団を足まくら代わりにして寝ていたのを思い出したのです。

気になった時は信頼できる薬剤師さんに聞くのが一番だと思い、再度質問してみました。

薬剤師からのアドバイス:足がだるいお客様へのアドバイスは?

回答1:「足がだるい」これの改善が1番という事ですね。

マッサージはとても良いアドバイスだと思います。 

ストレッチも良いですね。

慢性的なら、温める事(入浴など)やマッサージをする事により、血行促進になるような事を考えてもらえたらと思います。

マッサージだけではなく、ストレッチをおすすめするという方法もありました。

入浴など、温めることをアドバイスしていたら、簡単にできて受け入れていただけていたかもしれません。

「軽い運動」という言い方ではなく、もっと簡単にできる方法をお伝えして、ハードルを下げることの大切さを学びました。

回答2:マッサージについて

ふくらはぎのマッサージが効果的だと思います。

ふくらはぎは第2の心臓と言われるぐらいです。

足から心臓にむけての血流改善の為にふくらはぎを温めるようにしたいので、暖かいタオルでも巻いてもらいましょう。

その後に、ふくらはぎのマッサージをします。

ポイントとしては、ふくらはぎから心臓に向けてのマッサージになるかと思います。

足首から膝に向かってのマッサージですね。

強いマッサージは逆効果になるので、弱い力加減で良いかと思います。

マッサージの時間帯としては、お風呂から出た時が良いかと思います。

ふくらはぎのマッサージ方法について、これほど具体的な方法を周知しておられて素晴らしいと感じました。

高齢の方なので、「お風呂上がりに弱い力加減でのふくらはぎのマッサージ」をおすすめしたら良かったです。

回答3:むくんでいる事も考えられますね。

体操教室に行かれているのなら、ご自身で筋肉が落ちてきたと考えられているかもしれません。

むくみだと、漢方を使うという方法もありますが、漢方に関しては、それぞれの特徴を考えながらになります。

ここでも漢方という選択肢があることが盲点でした。

足がだるい=湿布薬とお客様が考えていることにとらわれて、他の方法が思いつきませんでした。

漢方は体格や体質を配慮しながらとなるので、少し難しい選択肢にはなりますが勉強になりました。

まとめ

最後に薬剤師さんはこうアドバイスをしてくださいました。

「100点の接客は出来ないので、最低限の60点からの上積みが出来れば良いかと思います。

失敗だと思っていても経験値は増えるので、次の機会に生かされれば良いかと思います。」

今回の私の接客は、自己採点では50点くらいだと感じています。

「失敗だと思っていても経験値は増える」

この言葉を大切に、これからも少しでもお客様のお悩みが解決できるよう経験値を積み重ねていきたいと思います。

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